木材(Wood,Lumber, Timber, Holz(獨))は、我々日本人とっても、また諸外国においても昔から住宅、各種構造物、家具、各種道具などとして生活の中に取り入られ利用されてきた材料の一つです。木材は金属やプラスティックあるいは無機系材料とは根本的に異なる点があります。それは生物材料であるということです。樹木として地球上に生きていた生物であるという点です。この点で、材料の中では特異な存在であり、一方、人間にとってはもっとも近しい材料であるといえます。したがって、木材は、「温かみがある」、「自然らしい」、「柔らかい」、などの印象を人に与えるようです。こうした印象はどこから発生してくるのでしょうか。人と同じ生物であったことに関係があるのではないでしょうか。
このようなイメージはおおいに結構なのですが、木材の使い方に関しては、人が使うものであるにもかかわらず、イメージ以外の科学的な説明が十分できていない。すなわち木-人の関係を科学的に解明することについては十分ではないようです。木については芸術や職人芸の範疇で眺めておいて、あえて木-人の関係を科学することは野暮なのかもしれません。でも木を有効に人の生活に活かして使うことを考えると、木-人の関係を科学してみることがやはり重要に思えてきます。
そんなわけで、日本生理人類学会の研究部会として木-人の関係を科学する、”Wood
/ Human Relations”研究部会を発足するにいたりました。木の物性については日本木材学会において多くの物理学的、化学的な研究蓄積がありますが、木-人の関係を研究してゆこうとすると、もう一方の”人”に関する情報抽出手法において未熟な点もあり、その点では日本生理人類学会の皆様の豊富な心理学・生理学の研究蓄積を参考にし利用させていただきながら木-人の関係付けを研究してゆくことが重要であると思ったからです。
木を利用するのは人間です。木と人との関係を科学して知ること、そして、それを活かした利用方法の提案ができる研究会にできればと思います。企業戦略として木を使いたい方、漠然と木あるいは人に興味がある方のご参加を期待いたします。
2000年12月25日
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